複合交信按乱剤を利用した減農薬リンゴ園における害虫発生と被害の動即

摘要

リンゴでは，チョウ目害虫をはじめ，コウチコウ目，ヨコバイ目，ダニ目，線虫類など300種以上の害虫が記録されている（梅谷，岡田，2003）．その中で防除を要する害虫としては33種が数えられる（高木，1998）が，とくに重要度が大きい害虫は数種から十数種に限られて－いる（佐藤，1992）．リンゴを殺虫剤無散布で管理すると，リンゴハダニ Panonychus ulmi（Koch）やモモシンクイガCarposina sasakii Matsumura 等が発生して収量は28％程度に低下し，出荷可能な果実は実質的に皆無となる小それに加えて，翌年の着果率は15．6％にまで低下する（平良木ら，1993）．い　 このため，通常，年間8～10回の殺虫剤，殺ダニ剤散布が必要となっている（平成15年度リンゴ生産各県の農作物病害虫防除基準）．