日本ナシの最近の品種構成と今後期待できる品種

摘要

国内の日本ナシの栽培面積は、販売価格の低迷や生産者の高齢化と後継者不足により、大きな減少傾向にあり、農林水産省の統計によると、二〇〇六-二〇一一年の五年間で一万四九〇〇-一万三七〇〇，haと約八％減少している。両年の品種構成についてそれぞれ図1に示した。生産面積上位の品種群において、「幸水」と「豊水」および「新高」の占める割合は、それぞれ約四〇％、 二七％、九％で、ほとんど変わっていない。一方「二十世紀」は、面積第三位の座を二〇o七年に「新高」に明け渡すとともに、五年間で二％以上シェアを落としている。また、黒斑病抵抗性を獲得した「ゴ—ルド二十世紀」二九九一年品種登録)も、二〇〇六年までは増加傾向にあったが、以降は減少に転じている。さらに、自家和合性と黒斑病抵抗を併せ持つ「おさゴールド」二九九七年品種登録)も微増程度に止まってお