鹿児島県におけるビヮ栽培の現状、課題とその対策

摘要

鹿児島県は九州の南端に位置し、東西約一一七〇km南北約六〇〇kmに広がり、薩摩、大隅の一一つの半島と、種子島、屋久島、奄美群島等二〇〇有余の島々からなつている。温暖な気候と広大な畑地等の特性を活かして、畜産、園芸を中心とした農業が盛んであり、産出額は全国四位の農業県である。果樹では温州ミカン、ボンカン等のカンキッ類、落葉果樹やマンゴー等の熱帯果樹など、多種多様な果樹が栽培されている。しかし、生産農家の高齢化や生産基盤整備の遅れ、販売環境の悪化等により果樹の農業産出額は年々減少している。今回紹介するビヮは、離島を含め県内各地で栽培され、特に、桜島周辺地域で盛んである(写真①)。