果樹病害の最近の動向と防除策 第9回 和歌山県における 力キ病害の発生動向と防除対策

摘要

和歌山県のカキの栽培面積は一一八九〇 ha、生産量五万三九〇〇t(平成二〇年度農林水産統計)で全国第一位を誇ります。「刀根早生」「平核無」といった渋ガキが主力品種で、「富有」等の甘ガキも栽培されています。本県で問題となる病害は、落葉病(角斑落葉病、円星落葉病)、うどん，j病で、地域の防除暦も> Jれらの病害を中心に組まれています。また、近年、炭疽病やすす点病の被害が多い園地も見られるので、これらもあわせて和歌山県での発生動向と防除対策について紹义します落葉病には角斑落葉病と円星落病がありますが、性質はやゃ異なります。角斑落蕖病は、葉に周囲が黒色の多角形または不整形の褐色病斑を形成します(写真①)。落葉した前年の発病葉で菌糸の状態で越冬し、翌春、菌糸上に分生子(胞子)が形成され、風雨のたびに分生子が飛散して感染します。