J Aこま野におけるスモモ， 「貴陽」の普及状況と今後の展望

摘要

JAこま野は、山梨県南アルプス市を事業区域とし、県西部、南アルプス山麓に位置し、巿内を南北に走る国道五二号沿いに広がる市街地の周辺部から山間部にかけて標高二五〇 - 四五〇 m付近に樹園地と市街地が混在した地域である。管内の落合地区は「甲州大巴旦杏」発祥の地と言われ、明治以前からスモモが栽培されていた歴史が記録されている。昭和四〇年代からスモモの産地化が図られ、養蚕にモモ、スモモを組み合わせた複合経営が行われてきたが、その後の生糸価格の暴落や、モモの灰星病の大発生により、収益性の低下が問題となつたため、管内の甲西地域や白根源地区では、競合産地が少なく、早場産地の有利性を生かせるスモモ栽培を柱とした経営に転換が行われ、栽培面積、生産量ともに全国一のスモモ産地を築いた。