ゥンシユウミカンにおけるジチアノン水和剤の使用による黒点病の防除回数削減

摘要

ゥンシユウミカンの栽培において問題となる病害に黒点病(病原菌：Diaporthe citri (Faw.) Wolf)がある。発 病すると果実の表面に黒色の小粒点が生じ，商品価値が 低下する。発病期間は幼果期(6月上旬)から成熟期(10 月)までの長期に及ぶ(山本，1991)。この間，防除効 果を維持するには複数回の薬剤散布が必要である。和歌 山県の主要産地ではマンゼブ水和剤のみで4回程度，ま たはマンゼブ水和剤とマンネブ水和剤を組み合わせて4-5回程度の散布がなされ，大きな労力を要している。こ の他.本病に高い防除効果を示す薬剤としてジチアノン 水和剤があるが，夏期高温時の散布で薬害が生じる恐れ があることなどから使用される場面が少なかった。本研 究では，6月下旬までの散布時期にジチアノン水和剤を 使用することで黒点病の防除回数を削減した場合につい て，防除効果を検討した。