スジグロシロチョウとャマ卜スジグロシロチョウの人工雑種の戻し交配

摘要

前報（北原2009)では，スジグロシロチョウPieris melete (以下，スジ）とャマトスジグロシロチョウPieris napi japonica (以下，ャマ）を.ハンドペアリング（以下，HP) によりャマ半xスジ^の組合せで交雑し.雑種第1代F1を 作成した.さらに.それを戻し交配しF2, F3を得て.それ ら雑種の生殖能力について報告した.この報告の中で，F1 とF2^は生殖能力を持つこと，芊はFl，F2, F3とも生殖 能力を持たないことなどを述べた.しかし累代飼育中，幼 虫が病気で死亡してしまつたため交雑実験はF3までで中 止となってしまった.そこで今回あらたに，ャマ早xスジ ^の組合せで交雑し，①F1以降各世代でスジ，ャマ両親種 と戻し交配を繰り返しF10まで得た場合と，②F1以降はス ジと戻し交配を繰り返しF7まで得た場合.および③逆の 組合せであるスジ早Xャマ,の交雑から始めてF4までス ジ，ャマ両親種と戻し交配を繰り返した場合の計3回の戻 し交配実験を行った.また.この3回の交配実験のほカゝに， スジとャマのケージペアリング（以下，CP)による交雑実 験，F1のCPによる戻し交配実験なども行った.本報告では，これら一連の交配実験により両親種の遺伝子 の様々な期待値を持った人工雑種を作成し，その生殖能力 の実験とCPによる交配可能性についての実験を行い，野 外における自然雑種の発生可能性と判別方法について検討 することを目的とした.