＜平成14年度日本茶業技術協会技術賞受賞研究＞茶園造成地における土層改良と伐採樹木枝条の利用技術の開発

摘要

静岡県の茶園は，小区画で分散し，傾斜地に多いなど栽培管理面での機械化に障害となっており，基盤整備が重要な課題である。 機械化のためには，ある程度の地形修正が必要となるが，このような茶園造成では，しばしば良質な表土が下層に埋没し，不良な土壌が露出する例がみられる。また，一般に，茶園造成における表土扱い（表土の集積や戻し工事）は，大型重機によって行われるが，これら重機による圧縮や繰り返しにより，土壌が緊密化しやすい1）。 とくに，新類造成地では，腐植に乏しいことから，土壌構造が悪化しやすい。 このため，定植後に土壌条件の不良から茶樹の生育不良をきたす例がみられる。茶園基盤整備における士層改良は，早期成園化の視点からも重要である。 そこで，1996年3月から1997年3月にかけて造成した新第三紀の相良層群を基盤とする静岡県茶業試験場実証ほ場（以下「実証ほ」）において，茶園造成時における土層改良方法の1つとして，新しく開発したロータバケットについて試験した。