秋季の作物残漆のすき込みが畑地からの亜酸化窒素（N_2O）発生に及ぼす影響

摘要

秋季にスイートコーン茎葉をすき込んだ畑地から発生する亜酸化窒素（以下，N_2Oと略記）のすき込み後1ヶ月間におけるフラックスと積算発生量は，それぞれ0．003～0．235 mg Nm~(-1)hr~(-1)，39．6 mg Nr~(-2)で，無すき込みの同0．001～0．026mgNm~(-2)hr~(-1)，8．3 mgNm~(-2)より著しく増加した。 しかも，N20の発生は作物残漆（キャベツ外柔，スイートコーン茎葉，麦梓）のC／N比等の影響を受けるとともに，残漆のすき込み位置が深くなるほど高まる傾向であった。 また，圃場でキャベツ収穫後の茎葉残漆を処理する場合，残漆との土壌接触が少ない表面散布でのN_2O発生は，通常の土壌混和に比べて少なかった。以上のように，畑地からのN_2Oの発生は，作物残癒すき込みで著しく増加するが，その程度は残液のすき込み深、種類および処理方法で明らかに異なることが示された。