十勝馬産の発展に 大きく寄与した伯楽達

摘要

馬産王国！馬の国として全国に誇り、優秀馬の産地と 讃えられる十勝における馬匹の改良の始まりは起源すこ ぶる古く、江戸時代の寛政11年（1799年）に60頭ほどの 南部馬が日高を介して導入され、これを契機に馬産の礎 が築かれて以来発展した。明治19年には依田勉三が設立 した晩成社を始め他の大規模牧場が経営されるように なって、道有種馬の貸し付けまたは出張種付の実施によ り逐年血液の進歩を見るようになった。そして明治43年 に馬政局所管の種馬牧場が十勝に創設されると、俄然産 馬熱の勃興が顕著となり、多くの産馬牧場が開設されるようになって、頭数の増殖、血種の進歩は年とともに長 足の進歩を遂げるものとなった。このような馬産の興隆 に伴い、馬政局所管種馬牧場の開設より5年前に、十勝 畜産組合が設立されて多くの農業、農牧家の中にあって、 多数の獣医師が役員として活躍したこと力5— 「十勝馬産 史」に記されている（図一1)。