セレンとモリブデンの生理機能と適切な摂取量の範囲

摘要

マルコ.ポー口の東方見聞録は，現在の中国甘粛省 付近に家畜の蹄を落とすほどの毒草があると記述して いるu.家畜の慢性セレン中毒症では蹄が落ちること から，東方見聞録はセレン中毒を記述した最初の文献 といわれる.急性毒性という点でも，代表的なセレン化合物である亜セレン酸ナトリゥムのげつ歯類に対するLD_(5o)は5-13 mg/kgであり,シアン化カリウム や亜ヒ酸ナトリウムとほぼ同水準である.このように セレン化合物は毒性がきわめて強く，法律上も毒物で ある.