地球上の生命がおよそ38億年前に誕生したとすると,有性生殖の出現は生命の誕生から20億年以上経過した約15億年前と言われている。 それ故15億年前より以前の無性生殖による生命活動の方が遥かに長いことになり,有性生殖を出現させた背後に何があったのか興味深い。 本稿では有性生殖をする動物中でおよそ三億年前ころに鳥類から分かれた哺乳類の中で現れた後述の性決定遺伝子Sry(Sex determining region Y gene)の分子進化について紹介する。 ところで有性生殖の存在理由等,すなわち地球環境へ適応している生命活動におけるこの有性生殖の意義等についての論究は依然続いており,定説はまだない。
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