Weekly Paclitaxel療法にて治療効果が認められた後腹膜原発脂肪肉腫の1例

摘要

症例は58歳，女性。 2004年3月，巨大な後腹膜原発脂肪肉腫に対し，腫瘍切除術＋横行結腸，脾，左腎合併切除術を施行した。 7月に骨盤内右側および左上腹部に再発を認め，腫瘍切除術を施行した。 9月のCT検査にて右下腹部，肝左葉前面，左i腹部，胃背側など多発再発巣を腹腔内に認めた。 10月よりmesna，doxorubicin，ifosfamide，dacarbazine（MAID）療法を1クール施行するも効果判定はPDであり，下大静脈の圧排による両下肢の浮腰を来した。 11月よりweekly pかclitaxel（100mg/m~2，dayl，3週連続4過ごと）を開始した。 CT検査による効果判定はNCであったが，下大静脈が開存し，両下肢の浮腰は改善を認めた。 2005年8月に全身状態が悪化するまで化学療法を施行し，9月に死亡退院となった。 今回，脂肪肉腫再発の患者に対しweekly paclitaxel療法を施行し症状が緩和され，QOLを改善させることができた。 脂肪肉腫に対するweekly paclitaxel療法の有用性の可能性が示唆された。