活性型ビタミンD3製剤で治療効果が認められなかった原発性骨粗髭症に対するビスホスホネート製剤·活性型ビタミンD3製剤併用療法による治療

摘要

骨粗鬆症は骨量の低下と骨微細構造の変化によって骨の脆弱性が増すため骨折を起しやすくなる疾患と考えられており，その治療法は近年の骨代謝研究の進歩や新しい治療薬の開発により飛躍的に発展している．とくにビスホスホネート製剤の出現で，骨粗索症の合併症においてもっとも問題となる骨折の予防も視野に入れることが可能となった．ビスホスホネート製剤は強力な骨吸収抑制作用を有し，閉経後骨粗索症患者に対する効果が高く評価されている．Blackらは，骨折を起す危険率の高い閉経後骨粗髭症患者にビスホスホネート製剤を投与したところ腰椎骨密度が上昇し，骨折の危険率を減少させることが可能であったと報告している．