Leucovorin／5－Fluorouracil肝動注療法が著効した大腸癌多発性肝転移症例

摘要

肝両葉に多発性の転移巣を認める大腸癌症例に対して，肝動注療法（5－FU/LV療法）を施行し，complete response（CR）が得られた症例を経験したので報告する。症例は55歳，男性。 S状結腸癌および肝両案に5cm大の多発性の転移巣が認められたため，最初こS状結腸切除術（D3郭清）を施行した。 術後，入院，外来にて肝勤注療法を（5－FU900mg，Leucovorin（LV）375mg）1回/週×6週/1クール×4クール/施行した。 肝動注療法終了後の治療効果判定のCTにおいてCRが得られ，CEA値も正常値まで低下した。 1年以上経過した現在もCT上，腫瘍の増大，CEA値の再上昇は認められていない。 なお，副作用は色素沈着，gradelの食欲不振，白血球減少を認めたが重篤な副作用はなくQOLも保たれた.