北海道農業の過去、現在、未来（下）

摘要

平成三年、当時北海道知事は横路孝弘さんでしたが、北海道農業に対してクリーン農業を進めよう、化学肥料と農薬を三割減らすことを道の技術指導の目標としようと提言されました。私は、農業をあまりご存じない方が無茶なことをおっしゃると思いました。 農家も関係機関も重い腰を上げないものですから、それではということで、知事さんが農水省に行かれたそうです。 そうして、「北海道や私は持続可能な有機農業、またクリーンな農業を展開しようと思っているんだけど、北海道の試験場も現地の指導員も農家も総スカンで、誰も一気に三〇％減らすという無茶なことはできないというので、その指導をして下さい」と依頼したそうです。 農水省も、それは試験場の言うことも分からないわけではないけども、日本でクリーン農業を指導できる人を推薦するから、道として話を進めたらいいでしょうということで、十人の方が農水省から北海道庁に推薦されました。 その最初の指導者が、実は島本邦彦先生だったのです。 そして十人のうちの五人の方が島本先生の門下生でありました。