ブドウ主産県の動向長野県における無核ブドウへの取り組み

摘要

平成16年における「巨峰」の結果樹面積は1890haで，ブドウ総面積2500haの75％を占めており，全国平均（34％）に較べるとかなり高いことが特徴である。このような「巨峰」への偏重は見直すべき時期にきているが，急激な変化の動きははまだ目立っていないのが現状である。 種なし大粒種として「ピオーネ」，「ナガノパープル」が振興を検討されている。 「ピオーネ」の16年栽培面積は63haであり，占有比率はかなり低く，17年度の生産計画も74haが見込まれている（図1）。 他のブドウ主産県に較べると「ピオーネ」の比率が極めて低い現状であるが増加傾向であることは明らかであり，種なしブドウの基幹的位置付けとなりつつある。長野県の推奨品種においては，平成16年から「ピオーネ」が基幹品種に，種なし中粒種の「サニールージュ」「ハニーシードレス」も試作品種に位置付けられている（表1）。 消費者の噂好変化に対応し，種なし化と品種のバラエティー化を進めることが重要と認識され，生産振興を一層計る方針である。