花壇苗におけるわい化剤利用による草姿改善技術の現状と今後の課題

摘要

21世紀まで10年と迫った1990年，大阪において国際花と緑の博覧会が開催された。これ以降，空前のガーデニングブームが到来し，花壇苗の需要は高まり，日本国内における花き苗類の粗生産額は1990年に84億円，1995年に174億円，2000年に400億円（農林水産省統計による）と飛躍的に向上してきた。しかし，2000年以降，生産はほぼ横ばいとなり，作れば売れる時代は過去のものとなった。供給過剰な中で生産者が利益を得るためには，品目や品種の選定だけではなく，品質を重視した花壇苗を供給する必要がある。そこで本稿では，高品質な花壇苗の生産に資するわい化剤を利用した草姿改善技術の現状と今後の課題について，実用的な側面から論じる。