校庭の芝生化を振り返って

摘要

1971年から千葉県教育委員会では本格的に校庭芝生化の検討をはじめ，1972（昭和47）年に校庭緑化3カ年計画（2年延長）をスタートさせ，地域毎に希望校を募り地ごしらえ，芝植え，養生管理の指導を行うとともにティフトン宙を配布した。同年には東京都の市街地の学校環境の改善を図る目的もあり，大田区教育委員会が7校の希望校の校庭を芝生化する事業を補助することにした。1973年，文部省は大気汚染，騒音などの公害のひどい地域に重点的に校庭緑化事業補助5カ年計画を施行し，東京都，愛知県がそれに続いたのである。特に狭い校庭グランドの芝生化については過酷な使用に耐えて「生き物」を定着できるかどうか。適正な利用，管理の手間，費用などに大きな課題をかかえたままスタートしたことは否定できない。30数年たった今日，少子化によって生徒数の大幅な減少により，1人当たりの芝生面積も増加し，加えて地域の心強い支援体制（ボランティア活動）もできてきた。さらに事業費の補助も年々増えていることは大変な様変わりである。