アシナガコガネの多発生と芳香誘引剤による成虫捕獲

摘要

昆虫のフェロモンやカイロモンなどの生理活性を有する匂い物質の研究は，近年目覚ましい発展を遂げ，各種昆虫において活性物質が次々に単離、同定されている。 これら揮発性の情報化芋物質は，害虫の発生予察調査用あるいは大量誘殺用，さらに性フェロモンは交信かく乱剤として開発が進み，環境に優しい害虫防除法として実用化されつつある（阿部ら，1993）。 これまでに解明されている情報化芋物質の多くはフェロモンで，現在までに国内で発生するチョウ目，カメムシ目，コウチュウ目など約90種以上の害虫のフェロモンが単離、同定されている（中筋，1997）。 一方，カイロモンについてはコガネムシ，ハムシ，ミバエなどの誘引物質として研究され，一部物質は実用化されている（METCALF and METCALF，1992）。 国内でもマメコガネ，ヒメコガネ，コアオハナムグリ等のコガネムシ類について各種植物由来の揮発性物質が研究され（横溝、永田，1984；平井，1994），ゴルフ場などで使用されている。