石灰窒素施用による漏生イネの 発生低減

摘要

収穫時に圃場内に落下した籾(種子) が翌春に発芽し，成熟期まで生育する 場合がある。このようなイネを漏生ィ ネと呼ぶ。ホールクロップサイレージ(WCS)用水稲品種や飼料米用あるいは米粉など加工用の多収性水稲品種を 収穫した圃場で，翌年に食用水稲品種 を栽培して図-1のように漏生イネが 多発すると，漏生イネ由来の玄米が食 用品種の玄米に混入して検査等級を低 下させる。また，生育期の土壌養分の 競合や光環境の悪化によつて食用品種 の収量低下も問題となる。さらに，こうした問題への懸念からWCS用水稲品種や多収性水稲品種の普及が進みに くい状況にあり，漏生イネの防除技術 の開発が望まれている。