寒冷地水田における秋耕や石灰窒素の施用によるメタン発生低減技術

摘要

メタンは同じ量の二酸化炭素に比べ約20倍強力 な温室効果ガスである.わが国の温室効果ガスイン ベントリ報告書によれば,2013年度に国内から発生 したメタンは二酸化炭素換算量で3,600万トンであ り，農業部門からの発生量は全体の78%を占めてい る.そのため，これ以上温暖化を進行させないため にもメタンの発生量削減が求められている.農業部 門では水田から多く発生することが知られており， 主に湛水条件下の土壌中で有機物が嫌気的に分解 することでメタンが生成される.東北地域の日本海 側では，秋の収穫時にコンバインで裁断された稲わ らはそのまま水田に放置され，翌春にすき込まれる 場合がほとhどである.このような水田からメタン が多く発生していることから，メタン発生量を削減 するためには秋から春までの期間にできるだけ稲 わらを分解させることが重要である.