トランスポゾンを利用した植物遺伝子の機能解析

摘要

モデル植物として研究されているアラビドプシスやイネについての研究基盤が，急速に整備されてきている．ゲノムの構造解析から得られる多大な情報は，植物の多様な性質を遺伝子レベルで理解するのに，大きく貢献すると期待されている．植物の遺伝子機能の解明は，懸念されている将来の食糧問題，地球環境問題の観点からもその重要性がクローズ、アップされている．本稿では，トランスポゾン（動く遺伝子，転移因子）を利用した遺伝学的手法及び逆遺伝学的手法による遺伝子の機能解析法について概説した後，私達の研究室で行われているイネのレトロトランスポゾンTos17を用いた実験系について紹介する．また，植物遺伝子の機能解析の最近の動向について簡単に述べる．