大豆油およびウコン（Ccurcuma comose（Microtus arvalis）の体重，飼料摂取量および血薬膳質成分に及ぼす影響

摘要

ハタネズミは草食性で草食動物の実験動物としての利用と，BSE感染モデル動物としての期待がなされている．しかしながら，栄養試験を行うための実験動物として重要な栄養要求量に関する研究はほとんど行われておらず飼育に至適な栄養条件を提示するに至っていない．さらに維持や繁殖のための要求量も示されていないことから実験動物としての定着以前に至適な栄養環境が与えられているかの確認も行われていない．一方，代謝特性としてはマウスに対して脂肪酸代謝系の律速酵素である3－ヒドロキシアシルCo－Aデヒドロゲナーゼ活性が高く，対してグルコース代謝系の律速酵素であるへキソキナーゼはマウスより低いことから脂質代謝に優れる特徴が明らかにされてきた．家畜では肥育のための研究で高でんぷん飼料の多給については多くの研究が見られるが，脂肪多給時の研究はそれほど多くない．そこで繊維消化を消化管前部で行う草食動物において，過剰脂肪給与の影響と，脂肪代謝促進効果が知られるウコン給与の影響を調べるため，ハタネズミを用いて試験を行った．