ルーメン内主要セル口ース分解菌，Eubacterium cellulosolvens 5，のセル口ースへの付着機構

摘要

最近，生物資源いわゆるバイオマスを燃料や工業資材，原料等に変換し，石油に依存した社会からの脱却を試みる動きが様々な分野で見られている。 日本政府においても2年前からバイオマス，ニッポン総合戦略を進めている。 地球環境を守るためにも，また現在の生活水準を安定的に持続させるためにも，バイオマスの有効利用が重要であると認知されてきた。 そのバイオマスの中でも植物繊維の主要構成多糖であるセルロースは最も豊富な資源であるといわれており，セルロースの有効利用について世界中の多くの研究者，技術者が多方面からの研究，技術開発を行っている。 セルロースの有効利用でまず問題になるのは，その難分解性である。 セルロースを分解するタンパク賀はセルラーゼと総称されるが，土壌や海洋，動物の消化管などに生息する様々な微生物から分泌される酵素である。 また近年，シロアリなどの食材性昆虫が消化管で分泌するセルラーゼも発見されている。 現在，セルラーゼはその触媒ドメインのアミノ酸配列から多数のファミリーに分類されている（http：//afmb.cnrs-mrs.fr／CAZY／index.html）。