事例からみる損失補償法(7)土地収用法133条が定める損失補償の訴えの性質と審理判断の方法

摘要

今回は、権利対価補償のうち、土地 所有権以外の権利に対する補償が問題となった事例を題材にして、土地収用法133条が定める損失 補償の訴えの性質と審理、判断の方法について、 (a)収用委員会の裁決に裁量権の逸脱、濫用があつ たかどうかを審理、判断すベきカゝ、（b)裁決時点に おける正当な補償額を客観的に認定し、確定すベ きかが争われた事例を分析する。加えて、この問 題と、収用委員会の裁決における損失補償額が裁 判所の認定額に満たなかった場合に、補償金の増 額分に対する法定利率相当額の金員（遅延損害 金）の請求の可否および法定利率の起算点との関 係についても検討する。