オガコ豚舎における寄生虫病対策

摘要

オガコ豚舎はオガコを豚房内に敷きつめて豚を飼育する方式の豚舎で、ふん尿を吸収したオガコを直接堆肥化できる簡便さや建設コストの安さから、特に肥育舎としてここ二〇年で急速に普及してきています。 ここでは肥育豚を飼養するオガコ舎を対象とした寄生虫病対策について述べてみたいと思います。 オガコ豚舎の形態は、以前はパイプハウス内にオガコを六〇～八〇cmの厚さに敷き（オガコ床）、その上で豚を飼育するもの（発酵豚舎、写真1）が主体でしたが、現在は軽量鉄骨、コンクリート構造の豚舎内にオガコを二〇～三〇Cmの厚さに敷いた形態（蹴出し豚舎、写真2）が増加してきています。 また、使用するオガコによってふん尿の吸収や発酵状況が異なるのでオガコ床に用いるオガコ選びも重要となります。 オガコは杉を材木に加工する際に出てくるものが、ふん尿の吸収や持ちがよく、しかも発酵しやすいのでオガコ豚舎に適しています。 しかし、このような品質のよいものは入手が困難となっており、住宅廃材をオガコに挽いたものが多く流通しています。この他の素材としてはキノコの廃菌床や籾殻も利用されています。