鹿児島県で確認された豚コレラ疑似愚書事例と豚コレラワクチン使用中止

摘要

わが国における豚コレラの発生は、一八八八年、米国から北海道に輸入された豚で本病を疑う疾病が見られたのが最初です。 その後、一九九〇年代初頭において、豚の飼養頭数の増加に伴い全国的にまん延し、甚大な経済的被害をもたらしました。 　 しかしながら、一九六九年に、胎動物衛生研究所の前身である農林水産省家畜衛生試験場で開発された現行の豚コレラ生ワクチンが実用化されて以来、わが国における豚コレラの発生は激減するとともに、その後の接種率の向上によりさらに激減しました。 豚コレラは一九九二年の熊本県での発生を最後に発生がなく、また、豚やイノシシにおける野外株による抗体陽性事例も確認されないことから、国は一九九六年から　 「豚コレラ撲滅対策」　 を本格的に開始し、ワクチンを使用しない防疫体制の確立による豚コレラの清浄化を推進してきました。