鳥インフルエンザウイルスに有効な市販消毒薬代替品の検討

摘要

昨年(平成二十二年)四月の宮崎県におけるロ蹄疫発生を受け、口蹄疫ウイルスに有効な巿販消毒薬が、全国的に品薄な状態となりました。そこで当所では、ロ蹄疫ウィルスがまの影響を受けやすい性質に着目し、有効消毒薬の代替品となり得て一般の農家の皆さまでも入手容易な資材の検討を行いました。養鶏業界でも、高病原性鳥インフルェンザ発生時には、同様に市販消毒薬の入手が困難となる事態が懸念されます。鳥インフルエンザウィルス(AIV)は、口蹄疫ウィルスと同様にpHの影響を受けやすく、三上氏、石倉氏らの報告では、pH三以下の酸性もしくはpH一 二より高いアルカリ性の領域下で感染性を失うとされています。そこで、試験の対象を口蹄液ウィルスからAIVに置き換えて再検討することにしました。