畜舎汚水処理における原生動物の役割

摘要

尿を主とずる畜舎汚水の処筆削こほ、活性汚泥や生物膜を利用した浄化法が採用されてきている。これらの浄化法を良好な処理状況に維持ずるためにほBOD-SS負荷、滞留時間（HRT）、活性汚泥濃度（MLSS）、汚泥滞留時間（SRT）、汚泥性状、流水汚水性状、処理水質などが確認されなければならない。 しかし、これらの条件の確認を実行するためには、技術、時間および労力を要する。これらの条件についての情報を比較的端的に与えてくれるのが、細菌に比べ感受性の高い原生動物であり、その種類と密度により、状態を知ることができる。 この他に、微小後生動物も浄化処理中に出現し、これらの微生物も指標性がある。一方、活性汚泥の主体は細菌群であるが、細菌の同定に時間を要することから、管理の上で役に立ちにくい。 これに比べ、原生動物は形態学的に分類できるため、経験を積めば此較的簡単に見分けられる。 ここでは、主たる汚泥中の出現原生動物、原生動物の観察法、処理条件と優勢繊毛虫の関係、繊毛虫の食物源、および、繊毛虫と有害化学物質について述べる。