野鳥から分離された 高病原性鳥インフルエンザウイルスの 家禽に対する病原性

摘要

2016-2017年冬期は国内で前例のない数の 高病原性鳥インフルエンザウイルス（HPAIV) が野鳥から分離されている1)。ナベヅルの大 規模な越冬地として知られる鹿児島県出水市 のツルのねぐらから11月14日に採取された水か らH5N6亜型HPAIVが分離されたことが11 月18日に確認され、その後11月6日に鳥取県 で採取されたォナガガモの糞便からH5N6亜 型HP AIVが分離されたことが11月21日に確 認された。また、同日には秋田県の動物園で 飼育環境下にあった死亡したコクチヨウからも 同亜型のHPAIVの分離が確認された。その 後も、野鳥や飼育環境にある鳥類からの同亜 型HPAIVの分離が相次ぎ、2017年1月19日 現在17道府県174件のウィルスの分離が確認 されている。また、国外では、韓国でも10月 下旬にH5N6亜型HPAIVが野鳥由来検体か ら分離され始め、2017年1月15日現在40件 の分離が確認されている。