もう一度、鶏の病気をみてみよう 第5回　病原体の侵入、伝播を、おとり鶏′′の抗体から読む

摘要

養鶏産業において、鶏の飼養形態は大きく変わり、農場あるいは鶏舎はますます大型化してきました。その結果、鶏の集団は数万～数十万羽へと大きくなっています。給餌、給水、空調管理、あるいはワクチン投与などの衛生管理面においての大型化は、管理する側にとってプラス面もあればマイナス面もあります。　感染症対策の観点からのメリットは、一度に大羽数を対象に、同質の防疫対応ができ、またワクチン、薬などの防疫資材をまとめて使用できる　（コストダウンにつながる）　ということがあるでしょう。しかし、デメリットは、いったん病原体が侵入すると被害が大きくなるという高いリスクを背負っていることです。　このようなところから、飼養管理において感染症対策は、大きなウエイトを持っています。鶏用ワクチンの種類が、豚や牛のワクチンに比較して圧倒的に多い理由もこの辺にあるのでしょう。