耕作放棄地放牧等における太陽光発電を活用した省力的家畜飲水供給システム

摘要

わが国の畜産は家畜飼料の多くを輸入原料 に依存している。そのため、国産飼料に立脚 した畜産への転換が推進され、水田や耕作放 棄地などの有効活用等による国産飼料の生産, 利用の拡大が図られている。これらの取り組み の一つとして、近年、水田や耕作放棄地を利 用したゥシの放牧が拡がつている。放牧の実施にあたって、家畜の飲水供給は 必要不可欠な条件の一つである。しかし、水 源が確保できる状況であっても水源の位置が 放牧面より低い位置にある現場では、農家が 水を運搬'給与したり、人力やエンジン式動力 などによる取水,給水を余儀なくされ、家畜管 理に多大な労力と時間を要している。耕作放棄地放牧などでは商用電源がないこ とから、太陽光発電型の電気牧柵器が多く利 用されており、ソ一ラパネルやバッテリーを動 作電源としている。これらの電源を家畜の飲 水管理に活用できれば、飲水の自動供給が可 能となり、家畜管理の省力,軽労化が図られ る。