第58回飼料用米とソーラーパネルのつがる つがる市木村牧場

摘要

青森県つがる市にある木村牧場。代表の木村洋文さん（45)は父、一味さんから養豚を受け継いだ2 代目。母豚1200頭の一貫経営で「つがる豚」とい うブランド豚を生産している。「つがる豚」の特徴 は飼料用米を給与していること。31戸の耕種農家と 契約し、昨年は100haの面積だが、今年の作付けは 150haに増やす予定だ。飼料用米とMA米とを合わせ、体重30-120kg の段階に、粉砕した籾米を60%の配合で与えている。 以前は玄米にしていたが、籾米のままの方が繊維が 多く、高価なそうこう類を使わずに済み、栄養面で もコスト面でも優れているそうだ。昨年、東北最大 級の自家配合工場を建設し、青森特産のリンゴの搾 りかすや長芋の切れ端など県内外からの食品残さを 利用したリキッドフィ一ディングにより飼料代は減 つた。「いまは田んぼもお米もあふれていますが、 豚は米を肉に変えることができるんです。米どころ-つ がるの特性を生かした地域型の養豚を営めば国内 はもちろん世界で生き残れる産業になります」と発 言は力強い。この希望に満ちた話しぶりからは想像 できない経験が、洋文さんにはあった。