デンマーク養豚界の現状

摘要

一昨年秋の一kg当り一四二〇クローネ（日本円で二八二円）をピークに、その後下落の一途を続けていたデンマークの屠畜会社の生産者に対する支払い価格（図一）は、ここしばらく一kg当り六二一〇クローネで停滞を続けている（消費者が支払う豚肉価格は豚価の下落に比例して余り下がってはいない）。これが、ここ二五年間で最低の豚価に脳まされているデンマーク養豚界の今日の姿である。 この豚価下落の原因は、一九九六年春にヨーロッパの養豚界を震撼させた豚コレラに痛め付けられたオランダの生産規模復活と、アメリカやそして自国デンマークの生産増にある。