「組織的な乳牛改良システム」の機能と効果一問われる、生産コス卜低減のための泌乳能力向上一

摘要

わが国の乳牛改良システムは、昭和40年代 半ばから50年にかけてその基本型が築かれ た。それから3分の1世紀以上を経た今日、 後代検定や牛群検定は酪農の生産性向上を図 る上で欠かせない、あって当然のツールと なっている。ところで、わが国では国際貿易の観点から 農業の競争力強化が叫ばれて久しい。しかし ながらこれも、こと酪農に関しては、先輩た ちが築き上げてくれた強力な手段をすでに持 ちあわせていることになる。問題は、生産者 を始めとする関係者がこれらのツールを自分 のものとして磨き上げ、上手に活用できるか どうかに尽きる。ここではわが国が築き上げてきた、改良技 術の集大成である「組織的な乳牛改良システ ム」について触れてみたい。