文献にみる江戸時代の牛肉食について

摘要

『日本書紀』天武天皇四年四月庚寅の詔に「牛馬 犬猨鶏之宍を食うこと莫れ」とあり，江戸時代末ま で一般的には牛肉を食べなかったとされる。し力、しな力；ら，長崎では安土桃山時代から，ジョ アン'口ドリ一ゲスの『日本教会史（土井訳）』では 領主や商人達が牛肉を食べ，アビラ、七ロンの『日 本王国記(佐久間ら訳)』では長崎の住民皆が牛肉を 食べたとされるなどそれ以降も，江戸時代にかけて オランダ商館関連、日本側資料に牛肉が食べられて いた（以下，牛肉食という）記録が種々あり，その報 告を行った。