世論を惑わす偏見的な畜産物消費忌避論調

摘要

畜産物の消費が健康のためにマイナスと言う著書が出版されベストセラーになったことは旧聞に属することである。 このほか，マスコミ等で畜産物消費についての否定的情報が種々みられる。 このため，まず「牛乳には危険がいっぱい？ 」と摩する書籍を取り上げその畜産物消費忌避論について一瞥してみよう。 この書籍の著者はFrank A. Oski，M. D. （ジョンズ、ホプキンス大学医学部の小児科部長で小児科学術協会会長）という小児科の医学者であるが，東洋経済新報社から2003年4月に弓場隆氏の翻訳で出版されている。 筆者は翻訳書しか目を通していなく医学的な参考文献を逐一漁って検証したものではなく，医者ではないので論評を加える資格に欠けているかも知れないが，あえて牛乳消費拡大の視点から問題点を指摘してみよう。