日本における畜産物ブランド戦略の実態と今後の推進方向（1）－牛肉，豚肉を中心に－

摘要

国内農産物と外国産農産物の競争構造を考察する方法には，品質を所与とし，各国で生産される平均的経営における費用，価格等のデータを用いた比較分析および計量分析を利用したものか中心であると思われる。 しかし，各国の競争構造はそれだけでなく，いわゆる国産プレミアが存在し競争か成り立っている。 たとえば，品質が同等であったとしても高コストである国産農産物において，差別化戦略等の結果，国内農産物と外国産農産物との間にその高コストをカバーするだけの明確な価格差が存在すれば，国産農産物は存続しうる。 このような状態の時，国産プレミアが存在するという。 このように農産物の競争構造を明らかにするには，品質だけでなく，その差別化（ブランド化）戦略をも含めた国内農産物の競争力を明らかにする必安があり，各産地によって生産された製品に関して，詳細な生産、販売を通じての差別化の実態までさかのぼり，その現状と問題点を明らかにしなければならないものと思われる。