回転機の高効率化

摘要

地球温暖化問題対策として炭酸ガス排出量低減を実現するには化石燃料の消費抑制が必要となります。 その一環として電力消費量を低減するには，各種電気機器のよりいっそうの高効率化を推し進めなければなりません。 加えて，最近の原油価格の高騰など，今後のエネルギー事情には不確定要素が多く，電気機器の高効率化は不断に取り組むべき技術課題といえましょう。 わが国において回転機における電力消費量は全電力消費量の50％以上を占めているといわれています。 このため，成熟した技術分野と思われていた回転機においても，材料·構造·制御などの観点から研究が進められてきました。 本特集では回転機の高効率化への取り組みについて，近年適用領域が拡大している永久磁石電動機用の磁石開発の現状，鉄心材料となる電磁鋼板の技術動向，漏電流損が小さくリサイクル性も良好な圧粉磁心の開発動向，従来は解析が容易ではなかった回転機の高調波損失の高精度解析技術を取り上げます。 まず，トピックスとして松下電器産業株式会社の山下文敏氏に希土類ボンド磁石とそのモー夕応用こついて執筆をお願いしました。 モータ応用のために磁石開発のポイントとその開発事例について簡単に紹介していただきました。