信号のゆがみ補正し伝送距離を倍に伸ばす--周期的分極反転ニオブ酸リチウムの物性を応用

摘要

日本電信電話（NTT）は光通信の伝送距離を大幅に伸ばす技術を開発しており，2020～25年をめどに実用化する計画だ。周期的分極反転ニオブ酸リチウム（PPLN）の物性を応用した「位相共役変換」という技術で，伝送時に光ファイバー内で発生する信号波形のゆがみを補正。これにより信号の伝送距離を従来比2倍に伸ばせる。補正の効率も世界最高水準で，光ファイバーの大容量性も損なわない。消費電力が少ないなど光通信のコスト削減にもつながるという。技術の概要についてNTTの竹ノ内弘和氏（光電子融合研究部光電子サブシステム研究グループグループリーダ主幹研究員）に聞いた。