中国の精鉱が鉱山寡占化でタイト感強まる日本など西側市場が回復し中国の内需拡大も続く

摘要

タングステン（W）は，供給の大部分を握る中国の鉱山会社で寡占化が進む一方，中国内需にくわえ日本，ヨーロッパ，アメリカなどが本格的に回復し，世界需給は10年後半からタイト感が緩んでいない。中国内の精鉱価格の上昇が主な要因となって，中間原料APTの国際相場（WO31％，ヨーロッパ。LMB）が史上最高値の更新を続け，今年6月に一時460～485ドル／tと500ドル台を視野に捉えていた。価格調整が6月下旬から入り，いったん7月上旬～中旬に445～455ドルに下がったものの，すぐに反発し，足元（7月20日）は450～460ドルに値を戻した。需給のタイト感を崩す要因が見当たらないため，相場の大幅下落を予測する見方が少なく，調整はぃ時的との見方が強い。