血液悪性疾患に伴う発熱性好中球減少症（FN）におけるフルコナゾール，イトラコナゾールの予防投与についての検討

摘要

血液疾患に伴う発熱性好中球減少症（ftbrileneutropenia，FN）は，頻度が高く重症化することも稀ではない。 好中球減少が持続する患者の真菌感染症の合併率は30％におよび，遷延性FNの剖検例の検討では，40～69％の患者が侵襲性真菌感染症を有していたとの報告もある。真菌感染の高リスク患者や長期間免疫抑制状態にある場合は，抗真菌薬の投与も考慮されることは，改定ガイドライン（2003年）にも明記されている。 今回，悪性血液疾患に伴うFNに関して，フルコナゾール（FLCZ），あるいはイトラコナゾール（ITCZ）の予防投与が好中球減少期間，CRP陰性化期間，解熱までの期間に与える効果をレトロスペクティブに検討した。