どこまで続く中国の海洋進出: その狙いと今後

摘要

経済大国への成長に軌を合わせて加速してきた中国の軍拡，そして表裏一体で進む海洋進出の本格化に，国際社会の疑念と警戒が緩む気配はない。たとえばァメリカのァシュトン•カーター新国防長官は，就任審査の上院軍事委の公聴会(2月4日)で，中国について次のように証言した。「透明性を欠いたままでの軍拡は地域の懸念材料で，われわれも注視している。中国は国際規範に反して領土や領海を主張している」海洋進出について，中国はそれなりに「周辺国の動きに迫られた対応」と弁明していた。たとえば3年前の南シナ海のスカボロー礁(中国名：黄岩島)での対峙。中国も主権主張する海域で，フィリピン海軍が密漁摘発という公権力を行使したことへの対処という名目で政府公船を送り込み，実質的な優位につなげた。