09年版工業統計で過去最大の下げ幅を記録した日本の製造業

摘要

経産省が調査・集計する各種統計の中で、知名度・利用頻度とも最も高いのが「エ業統計」だ。その最新の調査結果である平成21年（2009年12月31日現在）の確報が概要版として去る1月28日何で公表された。確報はこの後、順を追って品目編→産業編→市区町村編→企業統計編と公表されていくが、わが国製造業の大まかな実態はこの概要版で必要かつ十分に把握できる。今回はこの概要版に見る産業界全般の動向と、その中における紙パの位置や他業種との比較についてまとめてみた。　日本の工業統計調査は明治42（1909）年に始まっており、一世紀を超える歴史がある。統計法に基づく基幹統計調査として経産省が毎年実施しているもので、「製造業を営む全国の事業所を対象に1年間の生産活動に伴う製造品出荷額、原材料使用額などを調査し、産業別、規模別、地域別に製造業の実態を明らかにする」ことを目的としている。調査結果は、国や地方公共団体が行う産業振興政策、中小企業対策などの施策・計画の基礎資料として利用されるほか、企業、大学などの研究資料、小・中・高等学校の教育資料など広範囲に活用されている。