試されるEUの枠組み：への説明責任をいかに果たすか

摘要

米国のトランプ政権の誕生を受け，欧州でも右翼的なポピュリズムが勢いを増している。1月には ドイツのコブレンツで欧州の主要なポビユリスト政 党の党首がー同に会し，時流の変化を世に印象 付けた。ー口にポピユリスト政党といっても，加盟 国毎に主義•主張は異なる。それでも共通してい るのは，反グローバリズムと反エスタブリツシュメントの2点であろう。これらはともにブラッセルの 政策に対する反発という形でも示されており，EU はガバナンス上の危機に直面している。こうした 中，銀行同盟の完成といった真の経済通貨同盟 の実現に向けた重要なプロジェクトが停滞を余儀 なくされている。しかし，EUの弱体化は，域内 のマクロインバランスの拡大や金融シス テムへの不安を通じて，欧州のリス クをむしろ増幅させるものである。