現代欧州統合論 ：EUの連邦的統合の深化とイギリス

摘要

本書は，欧州議会を中軸に据えたスケールの大きなEU統合論である。日本では欧州議会への注目度は高くないが，今や認識を改めるべき時期であろう。「はしがき」にいう。EUは欧州「連合」と呼ばれるが，欧州連邦に向かいつつある。EUの立法機関，欧州議会の発展を見ない限り，そのことは分からない。今日EUと加盟国が激しく対立するのは，EUの連邦性と加盟国のナショナル性が衝突するからだ，すべての加盟国が中小国であるEUは連邦化にしか将来を見いだせない。英国がEUを離脱したのは，EUの連邦化に耐えきれなかつたからだ。