有機化合物の生物処理特性を把握するための簡易手法の検討

摘要

半導体や液晶パネルなどの電子部品の製造工場では，多種の有機化合物が使用されてお り，生産方法の変更や新製品への移行などに伴う薬品の変更サイクルも速い。本研究では， 酸素消費速度（OUR）試験を用いて，短期間で有機系化合物の基質除去パラメーターを算 出する簡易手法の検討を行ない，以下の知見を得た。 1）OUR試験から，馴致物質以外の生分解性はいずれも低かったことから，生分解性 　　を的確に評価するためには，当該物質で馴致することが必要であることが示唆された。 2）回分実験でのTOC経時変化から基質除去パラメーターを求めたところ，有機アミ 　　ンの最大比基質除去速度たは人工下水の6割以下と小さく，炭素数が大きくなるに従 　　って分解速度が小さくなる傾向が確認された。 3）基質初発濃度と比酸素消費速度（SOUR）億の関係はMonod型反応式で整理すること 　　ができ，得られた速度パラメーターは回分実験から得られた億とおおむね一致するこ 　　とがわかった。