書物に親しむ必要性

摘要

私は現在，大学で教育•研究•運営に携わっています。家は千葉市郊外の田園地帯にあり，毎日列車に揺られながら通勤しております。その中で感じていることは，一般的にも言われていることですが，社会のあらゆる場面で人々の無気力化や精神性の低下などが見受けられるようになったことです。大学では，改革や評価，競争的資金の獲得などで心身共に不調を来たしている教職員も少なくありません。学生の方は，小さい時から学校教育以外にも塾や予備校に通って力をつけていると思いきや，偏差値教育の影響か，大学の大衆化の影響か，思考力や対話•文章能力の劣った学生が目立つようになりました。列車の中でも学生，社会人を問わず化粧や飲食は当たり前，年に1～2回は車内での蹴とばし合いなども目にします。