ドクターすどうの環境ってなんだろう

摘要

光をめぐる種間競争で，支持器官を柔構造にして他の植物のうえにはい上がり，競争を切り抜ける戦略をとっているのがつる植物です。他の植物の茎や幹あるいは岩石や土壁を支持体にしているので，細いつるでも多くの葉を上方につけることができる有利性をもっています。森林性の種では，トウ(籐)等のようにきわめて長いつるをもつものもいます。これは，支持体を他の生物に依存した一種の寄生戦略とみることができます。このため，光寄生植物ともいわれています。常緑広葉樹林地域のつる植物には，クズ，テイカカズラ，カナムグラ，カラスウリ，ヤブカラシなどがあり，林縁に出現する種が多いようです。熱帯多雨林地域においては非常に多種のつる植物が生息しており，巨大な木にはさまざまな種類のつる植物が多数ぶら下がっていて，熱帯らしい独特の景観をみせています。つる植物の形態的特徴として，①茎で他の植物に卷きついている(クズ，フジ，ヤマノなど)，②気根(空中に根を伸ばしている状態)で支持体にくっついている(キヅタ，イワガラミ)，③刺や卷きひげで支持体にくっついている(ヤエムダラ，カラスウリ)，④植物体自身が他の植物によりかかる(ノイバラ，アカネ)，などに分けられます。